最近、中村設備ではACドレン配管をすることが多いので、ACドレン配管の知識と接着方法を注意点を踏まえて解説してみたいと思います。
塩ビ配管のように手軽に配管できるのがウリのACドレン配管ですが、塩ビ配管と全く同じようには配管できません。
そこでACドレン配管をするときにどこに注意をすればよいのでしょうか?
大事なところは3つだけ!以下のとおりです。
ACドレン配管 3つの注意点
1,サイズに注意
2,接着剤は発泡層にも塗布
3,保持時間は長めに
結論から言うと、注意点はこの3点になります。それでは、内容を掘り下げて説明していきたいと思います。
材料の知識
まずは材料の知識を簡単に知っておきましょう。
空調ドレン配管に使うACドレンパイプはエスロン(積水化学工業)から販売されています。
用途
ACドレンパイプの用途ですが、基本的には店舗やオフィスの天井内にあるパッケージエアコンのドレン水(結露した水滴)を排水するためのパイプになります。
パイプの構造
ACドレンパイプは3層構造になっていて、内側から硬質塩ビ層、塩ビ発泡層、塩ビスキン層となっています。真ん中の発泡層が断熱して結露を防いでくれるので、あとから保温する手間がありません。
ACドレンパイプがなかった頃は、耐火二層管で配管するか、塩ビ管で配管してパイプが結露しないように保温材をあとから巻く、といった作業でした。
塩ビ配管なみの手間だけで保温はいらないので、工数の削減という意味では、現場ではもうエアコンのドレン配管はACドレンパイプ1択という流れになっています。
継ぎ手の構造
ACドレン配管にはACドレン用の継ぎ手を使います。
もちろん継ぎ手も発泡層があり、断熱してあるので結露しないようになっています。
現在は不透明の継ぎ手と透明の継ぎ手の2種類のラインナップがあります。
天井内の配管の主流は透明継ぎ手にブルーの色付き接着剤で接着するというものです。
接着忘れ防止、接着面の挿入確認が容易だからです。
不透明な継ぎ手を使うのは、病院や学校などの壁や天井に後付でエアコンを設置した場合の露出配管等、場面が限定されると思います。
直射日光の当たるような外部はメーカーの想定外と思いますので、メーカーに直接お問い合わせした方がいいと思います。直射日光の紫外線量と夏の温度的に多分不可と思います。
注意点
ここに来てやっと最初に述べた注意点の1番目、サイズに注意についてのお話になります。
ACドレンパイプは断熱層があるので、パイプの外径は塩ビ管の1サイズアップになります。
例えば、50AのACドレンパイプの外径は65Aの塩ビ管の外径になるので、ACドレンで50Aの配管をする場合は吊りバンドは65A用を用意しなければなりませんので注意してください。
他にもACドレンの施工あるあるで例を上げると「50Aのパイプを取ってくれ!」と言われて、パット見、外径50Aのパイプである40ACのパイプを反射的に渡してしまったり、その逆で、40ACのパイプが欲しいのに吊りバンドが50Aなので、うっかり50Aのパイプをくれ!と言ってしまうこともあります。
このようなうっかりをなくすために、弊社ではACドレンの配管をしているときは、サイズの末尾にACをつけるようにしようと話し合っています。例えば「30ACのエルボを取ってくれ!」とか、「40ACのパイプを1本持ってきてくれ!」のようにACと口に出して言うとお互いにACドレンのサイズに注意を払うことができて、コミュニケーション時の間違いでお互いにイライラすることがなくなると思います。
施工方法
切断
- まずはパイプの切断ですが、基本的には塩ビ用ノコギリを使って切断します。バンドソーがあるなら、バンドソーの方が真っ直ぐ切断できて、いいと思います。
- 塩ビカッターはNGですが、ACドレン用の塩ビカッターが発売されました。使ったことがありますが、こちらはパイプを温めないと、きれいに切れないので時間がかかり、個人的にはおすすめ致しません。
- セキスイからもACドレンカッターなるものが出ていますが、銅管などを回して切るパイプカッターのジャンボ版で、高価なのと、1箇所切る時間がノコの数倍かかるので、個人的にはこれもおすすめできません。真っ直ぐ切れて切り粉が出ないところは素晴らしいのですが^^);
面取り
いわゆるバリを取る作業です。内側と外側両方やります。内側は水の流れを邪魔しないように、外側はスムーズに挿入できるようにと接着面にバリが入るとみずみちなどができて漏水につながるためです。どちらも重要なので丁寧にやりましょう。静電気で切り粉等が付着するので息を吹いたりしてなんとか振り払いましょう。
マーキング
継ぎ手の挿入の長さをパイプ差し口に線を引きます。透明継ぎ手の場合はほぼ意味はありませんが、サブコン、ゼネコン、設計、施主など、検査のときにどこかから必ずマーキングしてくれと言われるので工事現場での施工時は透明継ぎ手でも手間を惜しまず必ずマーキングは致します。
DIY等で個人で透明継ぎ手を使うのであればマーキングは必要ないと考えていますが初めての方はいろいろ不安があると思うのでマーキングして挿入長さを直接見たほうが安心できるかもしれません。
接着剤の塗布
接着剤は継ぎ手の内面と挿入部分の管の外面、さらに管端にも塗布します。
注意点の2番目に上げていますが、塩ビの配管と違うのがこの管端の発泡層の部分にも接着剤を塗布するというところです。ここに接着剤を塗布していないと、発泡層に水が入り、最外部のスキン層に微細な傷や穴があった場合漏水につながるため注意が必要です。パイプを保管する場合は、スキン層(パイプ表面)の管理に気をつけましょう。
発泡層に接着剤を塗布しないとどうなるか、あとで実験してブログにしたいと思います。
挿入
接着剤は速乾性なので塗布したらなるべく素早く挿入しましょう。
当たり前のことですが、まっすぐ挿入するように心がけてください。
保持
挿入したあと、メーカーの説明では30秒以上保持となっています。
ここで注意点の3番目になりますが、ACドレン継ぎ手の接着は、実際のところ塩ビ配管よりも長めに保持していないと抜けやすいです。
塩ビ配管のつもりで配管するとほぼ間違いなく抜けるので、しっかり保持時間を取りましょう。
その他注意点
ACドレンからMD継ぎ手や塩ビ管に接続する場合は専用の変換継ぎ手があるのでそちらを使うようにしてください。
まとめ
注意点1のサイズの違いは慣れだと思いますが、
注意点2,3は塩ビ配管を経験している人にとっては、余計な時間がかかって、イライラするところだと思います。
実際管端に接着剤を塗るひと手間で塗布する時間は塩ビ配管の約3倍、更に抜けないように保持する時間は塩ビ配管の約2倍くらいかかります。
ぶっちゃけスキン層に傷がなく、継手に接着剤がきれいに回っていれば、断熱層に水が入ろうが、少々抜けていようが、漏れることはありません。
しかし、断熱層に水が入ったらそもそも断熱できているのか?
挿入の、のみ込みが甘いところに負荷がかかった場合、抜けや漏水の危険性はないのか?
更に結露や漏水した水が、オフィスビルならパソコンの上、商業施設なら展示物や生鮮食品の上に落ちたら?と考えたら、冷媒配管のおまけみたいな扱いになりがちなACドレン配管ですが、手間と時間、パイプの傷に対する管理において塩ビ配管とは全く違う配管だという認識が必要ではないか?と思います。
以上今回は継ぎ手の接着がメインでしたが、現場での配管の流れなども紹介できたらと思っています。