ACドレンパイプの漏水リスク
積水化学工業のエスロンACドレンパイプの漏水リスクについて、施工時の参考にしていただけたらと思います。
今回はACドレン配管の施工要領の「パイプ管端に接着剤を塗る」という部分にフォーカスして、普通パイプ側に塗る接着剤は、パイプ外周の接着面に塗るだけですがACドレンパイプはこれにプラスして、発泡層への水の侵入を防ぐため管端にも塗るように指示されています。
実際に施工した人の中には少なからず、この一手間の時間を無駄な時間に思っている人がいるのではないでしょうか?
実際接着剤を塗る時間は倍以上かかります。
私自身面倒に思っているので、この一手間を省くとどうなるのかを実際に検証してみました。
結論から言うと塗らないと絶対ダメ!という結論になりました。
では実際どうなったのかを詳しく紹介してみたいと思います。
積水化学工業のYOUTUBEチャンネルに施工要領の動画はありますのでリンクを貼っておきます。https://www.bing.com/videos/search?q=%e7%a9%8d%e6%b0%b4%e5%8c%96%e5%ad%a6%e5%b7%a5%e6%a5%ad+ac%e3%83%89%e3%83%ac%e3%83%b3+%e5%8b%95%e7%94%bb+youtube&view=detail&mid=920F1828DDC4928AC69B920F1828DDC4928AC69B&FORM=VIRE
ACドレンパイプの構造は3層になっています。
内側から硬質塩ビ層、塩ビ発泡層、塩ビスキン層になります。
塩ビ発泡層に塗らないと本当に水が発泡層に浸透するのか検証するためにこんなものを作ってみました。不格好ですが余った継ぎ手と捨てる端材を使っているのでこんな風になりました。
ソケット側の管端に接着剤を塗ったのと塗られていないのとで実際に発泡層に水が浸透するのか?を検証してみました。
両方のパイプのスキン層に穴を開け、満水にして穴から水が出てくるか検証しました。
水をちょっとかけた感じだと水を弾いているように見えます。
接着剤を塗っていない管端から穴を開けた位置まで約8cmでしたが、穴から水が滲み出て来るまで約3~4時間ほどかかりました。かなりゆっくり染みていく感じです。雫はだいたい2分に1滴ぐらいのペースで落ちていました。
念の為2週間放置しましたが、管端に接着剤を塗った側からは全く水が出てくることはなかったので、管端にしっかり接着剤を塗ってあれば、確かに水は浸透しないようです。
結果から発泡層は水をかけた感じでは弾いているように見えますが、
実際は時間をかけてゆっくり浸透していくようです。
この結果を受けて、管端に接着剤を塗らなかった場合を考察すると
- 発泡層に水がじわじわ侵入して、断熱効果を発揮できず結露が発生する可能性がある
- 比較的薄いスキン層にヒビや傷が万が一あった場合そこから漏水する可能性がある
以上の2点が考えられます。
ACドレンを使って配管するような現場のほとんどはオフィスビルの天井内や、店舗の天井内であることを考えると、たまたま落ちた1滴が、パソコンの上や商品,料理の上だったら…と想像すると手間を惜しまず接着剤は管端にしっかり塗るべき!というのが結論になります。